「錬金術」とは何か【リヴリーで学ぶ】

リヴリーはローレン・コール・ミュラー（ミュラー博士）の手により、錬金術の力を使って生み出された生物ですが、飼い主様方は錬金術とは何か理解されていますか？

私は2003年、リヴリーを遊び始めた当初にリヴリー誕生のストーリーを読んで「ここに書いてあることは全て本当で、錬金術とは現実世界に存在するものなんだ」と本気で思っていた小学生でした。笑
その後友人にリヴリーを紹介した際に錬金術とは「結局間違っていた学問で、この世には存在しないもの」だと分かったのですが、皆様は錬金術に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

なんとなく「0から1を作りたいインチキ学問」みたいな不名誉なイメージがつきがちですが、実は完全にそうとも言い切れず現代化学の礎となっている部分もあるのです。

錬金術とは
万物の根源とは何なのか
アルケミカル・ゴールドとは
賢者の石
実際のところ
小ネタ
まとめ

錬金術とは

長いので先に結論を言います。
狭義の錬金術とは、卑金属（ベースメタル）から貴金属（レアメタル）を錬成しようとするものです。

CHECK！卑金属とは錆びやすい（イオン化傾向が高い）金属のことで、リチウム、亜鉛、鉄などが該当します。
貴金属とは錆びにくい（イオン化傾向が低い）金属のことで、金、白金（プラチナ）、銀などが該当します。

広義の錬金術とは、不完全なものを完全なものにしようとするものです。

万物の根源とは何なのか

錬金術を語る前にまず、「万物の根源とは何か」という疑問が必要です。
「万物の根源とは何か」とは即ち「全ての物は何からできているのか」ということです。
現代社会に生きる私達であれば、義務教育を終えていれば「元素」と答えられてしまうわけですが、当時は元素という概念は発見されておらず、全ての物が何からできているのかというのはとても大きな疑問でした。

当時、エンペドクレスという哲学者はこの問いに対し、以下のように考えました。

全ての物質は「火」「水」「土」「空気」の四大元素からできている
四大元素はそれぞれ「温度」（温、冷）と「湿度」（湿、乾）の性質の組み合わせからなる
これらの四大元素を様々な比率で配合することにより、この世の物質は作りだされている

CHECK！実際のところは、
空気、土：混合物
水：化合物
火：物質ではなく現象（化学反応の副産物）
です。
火は元素からできているわけではないので、物質ではありません。

アルケミカル・ゴールドとは

新リヴリーアイランドでは、GP（グランパ）という通貨が登場します。
この通貨の原料は「アルケミカル・ゴールド」で、「錬金術を用いて作られた金」だと説明されています。
上記の解説より、「アルケミカル・ゴールド」とは錬金術（賢者の石）の力を使って卑金属から作り出された金だと考えられます。
（実際に錬金術の考え方が正しくこのようなことができるのならば、現実世界での金の価値は今よりもずっと低いものになっていたでしょうね）

賢者の石

錬金術の最終目的は「賢者の石」を作ることにありました。

「賢者の石」とは卑金属を貴金属に変えることはもちろん、人間を不老不死にすることができると考えられていました。
また、赤い賢者の石は卑金属を金に、白い賢者の石は卑金属を銀にすると考えられていました。
（このように錬金術は、究極的には不完全なものを完全なものに変えるのが最終目的です）

賢者の石の作り方は、ざっくり言うと「材料を球形フラスコに入れて密閉し加熱する」というものでした。
ミュラー博士の実験室に大量の球形フラスコが置かれていたり、リヴリーがフラスコの中から誕生したり、またサービス終了時にフラスコの中で眠っていたりするのも、恐らくこの「賢者の石」の作り方に由来するものと思われます。

※権利の侵害になってしまうのでここで中身をお見せするわけにはいきませんが、リヴリーアイランドコンプリートブックにも「賢者の石を生成する過程で最初のリヴリーが誕生し、ピグミーと名付けた」とはっきりと明記されています。

また、賢者の石以外にも人間を不老不死にし、どんな病気も治すことのできる万能薬はエリキシル（エリクシル、またはエリクサーとも）と呼ばれていました。
エリキシルを作ることもまた、錬金術の目的の一つとされていました。

実際のところ

実際のところ、人間を不老不死にすることのできる物質は未だ見つかっていません。

少し考えてみただけでも、人間の死因なんて様々です。
老衰による死、感染症による死、癌（悪性新生物）による死、心臓病による死、脳卒中による死、生活習慣病による死、プリオン病による死、精神疾患に起因する自死（自殺）、交通事故による死、災害による死……などなど、様々な原因が考えられます。
一度感染してしまったら治すことができない病気も存在します。

現代科学をもってしても、飲むだけでこれらの全てを完治させられる万能薬の生成は不可能です。